■富裕税という起死回生の案がなぜ出ないノダ!!
消費税増税の前にやることは山ほどあるが、なかでも富裕税の再登場は、緊急の課題である。
なぜこの重要問題に政府もマスコミもふれないか?
そんなに金持ちが怖いのか? 自分たちが金持ちだからか? 欧米の超金持ち達のなかにはみずから社会の活性化のために、富裕税の増額や設立を提言する人もいるというのに。
腰抜けのマスコミを尻目に、ネットでは”富裕税待望論”が花盛り。「富裕税」で検索すればよく分かる。
読めば読むほど今もっとも必要な議論だと思う。ここに紹介したい。
       (●印毎に引用先異なる)
●金持ちに1%の富裕税を課せ!   武田知弘 週刊金曜日3/2号
−−日本では富裕老人や億万長者が激増している。彼らが多くの資産を独占していることが、日本経済を苦しめてきた要因である。
 彼らの資産を社会に還元しなければ、日本経済の復活はあり得ないのである。だからこれら富裕層に税を課すことが、今の日本にとって欠くべからざることなのである。
−−本来、税金というものは、”所得”や”消費”だけにかけるものではない。”資産”にかけることもできるのだ。しかも資産に税をかける方が、所得や消費にかけるよりも公平で大きな税収を得られるのである。
 所得や消費というのは、国民生活に直結するものである。所得税低所得者の)を増税されれば、給料の手取額が減る。そうなると、生活は苦しくなるし消費も減る。それがまた不景気を呼ぶ。消費税でも同じである。
−−しかし、資産というのは、所得から消費を差し引いたものだ。当座、必要なものではない、いわば予備のお金である。それを税金として徴収するのだ。消費にはまったく影響しないし、国民生活が苦しくなるわけでもない。
 今の日本経済は、資産が異常に膨らんでいる。先進国と比較しても、所得や消費は高くないのに資産だけが大きい。それは、低所得者の所得や消費にばかり税金をかけ、金持ちの資産に税金をかけてこなかったからでもある。
 なぜ資産に税金をかけることはできないのか?
−−資産に税金をかけようとすれば、金持ちがうるさい。あの手この手で政治家に圧力をかけて妨害する。−−だから、資産に対する課税はこれまでほとんど行われてこなかったのだ。
−−富裕税というのは、余剰資産にかけられる税金である。フランスなど先進国の一部で導入されているもので、金持ちに対して直接、課税できる税金だ。
 たとえば、「一億円以上の資産を持っている人に1%の税金をかけましょう」というような仕組みだ。一億円の資産を持っていない人には、税金はかからない。
 富裕税は資産にかかる税金なので、国民生活に直結するものではない。また富裕税は、金持ちにとっても、負担感はそれほど大きくはない。わずか資産の1%、最大限に増税したとしてもせいぜい2%程度である。一億円持っている人が、その1〜2%を税金で払ったって、大勢に影響はないのだ。そして富裕税というのは、わずかな税率で莫大な税収を生むものである。
 日本には個人金融資産が1400兆円あり、不動産などと合せれば、8000兆円の資産があるとされている。これに1%の富裕税を課せば、概算でも80兆円の税収になる。資産の少ない人を課税免除するとしても少なくとも20兆円以上になる。
−−現在の国税の税収は40兆円程度なので、富裕税を課せば充分な税収になる。今の日本の財政問題は、これで全て片が付くし、中間層以下の人たちに大幅な減税もできるだろう。そうすれば消費も上向く。
 金持ちが所有する財産に、たった1%の課税をするだけで、日本の懸案事項はほとんど解決するのだ。
  
ビル・ゲイツと並んで世界トップの所得を争うアメリカの大富豪の投資家ウォーレン・バフェット氏は、ニューヨークタイムズ紙に「大金持ちを甘やかすな」と題し寄稿。
「私や私の友人たちは、億万長者を優遇する議会に長期間甘やかされてきた」、「私の事務所の20人の秘書は、33〜43%、平均で36%の連邦税を納めている。私が一番低いんだ」「課税所得に対する税率は17.4%にしかならない」として、富裕層への増税を主張。
ドイツでは資産家50人が連名で、メルケル首相に対して、「財政赤字の打開策は、貧困層に痛手となる歳出削減でなく、富裕層への増税だ」と提言、フランスでは資産家16人が富裕層を対象にした特別貢献税の創設を提唱、イタリアでは自動車会社フェラーリの社長のモンテゼーテロ氏が富裕層への増税を主張している。

ローマ帝国の衰亡ではないけれど、世界に冠たる米国帝国が滅んでは、いかに「金持ち」でも、心安らかには生きていけないだろう。平和で自由な国家体制という大きなフィールドがあってこそ、富裕階層も成り立ち得る。
それにしても、米国ばかりでなく、欧州、さらには日本を含めて、経済不況、財政難という苦難に陥れているリーマン・ショックの大本となったあのサブプライム・ローンで大儲けして金持ちになった連中がいるはずである。
世界で400兆円規模とも言われた大損害の反対側には、400兆円大儲けした者がいてもおかしくないからである。
少なくとも米国ではオバマ大統領が苦労している。このまま見て見ぬフリをして、放置しておけば、米国帝国の崩壊によって、富裕層も大変な目あう。となれば、いま富裕層に求められているのは、これまでに増しての「愛国心」であろう。富裕層が増税によって、真の愛国者であるかどうかが試されている。この構図は、日本でも同様である。「広く薄く公平に」というのが、税の大原則だが、いまの国難とも言うべき、非常事態下では、「金持ち大増税により、「愛国心ありや、なしや」を徹底的に試す必要がある。これを私は、富裕層対象の「愛国税」と呼ぼう。

http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/cfb52fe06e5e19304ccac6c98362a4f1


●日本でも富裕層が高所得者増税を賛成すると信じたい
アメリカの富裕層は、投資家で経営者として著名なウォーレン・バフェット氏が、提案している100万ドル以上の米国民への増税案に賛成している人が多いそうです。
ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えるところによると、調査によると純資産500万ドル以上の富裕者の61%がバフェット氏の増税案に賛成で、バフェット氏の増税提案に反対しているのは百万長者の19%と、資産額500万ドル以上の富裕層の22%にとどまったといいます。
ちなみに、バフェット氏は米国では高所得層の税率が中間所得層より低いと主張していますが、日本の場合も、分離課税が認められているために、財務省のデータでは申告所得が1億円を超えると税率が下がっており、財政にゆとりがあるのならいざしらず、不自然です。
日本ではまことしやかに高額所得者に対して増税すれば海外に移住を考えるといったことが喧伝されきたのですが、ありえないと思います。ごく一部にはそういった人もでてくるでしょうし、なかには年末が来るたびに住民票を海外に移して節税する姑息な人もいるようですが、例外中の例外でしょう。
日本のほとんどの高額所得者は、日本という国家、また社会のなかで活躍し、そのなかで能力を発揮したから、高い所得を得ることができるという人がほとんです。
つまり、国家や社会の安定の恩恵を受けているということでしょう。そして、適正に納税しているから社会的な信用や、社会的な評価を受けるので、節税で海外に移住した人は日本でのビジネスは不利になってきます。
そういえば、かつては中小企業で優良納税者の表彰状を掲げていたとことがたくさんあり、経営者も多くの税を支払って社会に貢献しているという自負や誇りをお持ちでした。
それがビジネスに打ち込む励みにもなっていたと思います。
日本は、財政問題、また東北大震災と福島第1原発事故処理といった課題を抱えており、消費税も結構ですが、まずはこれまで進められてきた高額所得者に有利な税制を修正することは、高額所得者の人たちもきっと賛成する人が多いのではないでしょうか。
マスコミも一度世論調査をやってみてはどうかと思います。
http://news.livedoor.com/article/detail/5979386/