「休日割引」より「平日割引」を!

高速道の「休日割引」はありがた迷惑と思う人は多いのではないか。少なくとも私はそうだ。車を持たぬ人、高齢者、いずれもその組だが、特に私は割引きとはいえ金を取られた上に渋滞に付き合うのはまっぴらごめんだ。

他の国では殆ど通年無料なのに、通勤時間帯を除いて、タチの悪い渋滞は発生しないという。なぜ日本ではこうなるか。
基本的には日本人のレジャーに対する行動様式に欠陥がある。1年の大半を脇目もふらずせっせと働き、カレンダーで総務省が自由気ままに割り振った連休や大型?連休に一斉に家族サービスにはげむ。
遙か上空から見たら、かなり滑稽で異様な光景だろう。
この基本的な習性は容易には直らないだろうからあきらめて、「休日割引」の思想を変えた方が簡単である。
むしろ「休日割高」にする・・・というよりは突出して世界一高い日本の料金を、これ以上上げるのは正気を疑われるから、民主党は「平日割引」「平日無料」を検討してはどうか。
日本人の休みの取り方、まわりをキョロキョロ見回しながら身をすぼめて年休を休む、と言う習性の治療にも役立つと思う。
ひいては、働く以外の「生活」に自主性を持ち、人生をもっと豊かにする工夫をするようになるかもしれない。
一人一人の意識が変われば、風土も変わる。ヨーロッパ並みだけがいいというのではなく、島国的な大勢順応の負の面を理解するようになればいいのだ。
「平日割引」でこの国の意識の風通しを良くすることができるかもしれない。

更に言えば、1〜2年ごとに制度を見直して、「貨物割引」実施で生産拠点の地方分散を誘導し、監視しながらコントロールすれば万全である。
監視の対象は地方交通網や鉄道輸送量も含まれ、一極集中回避・弱者救済の発想も重要である。
なにも「高速道無料」が公約だからと、何が何でも「無料」で突っ走る硬直したやり方では、弊害が多すぎる。効果を斟酌・観察しながら柔軟に手直し続けるべきだ。
生活に密着したローカル公共交通網を今以上に衰えさせてはならない。「割引」後の収入を鉄道を含む僻地交通網の公費再構築、路面電車の復活・・等々にあてれば、近未来の石油枯渇にも備えられる。
そのためにも無料化は無謀といえる。休日の取り方にも「横並び」をやめられない日本人には不適切というほかはない。
とりあえず「平日割引」でスタートしてはどうか。自民党のように人気取りだけをねらわず、しっかりとした長期展望を持って取り組まなければならない。